2007年04月07日

ドラマ ハゲタカ

●原作 … 真山仁 「ハゲタカ」「バイアウト」
●脚本 … 林宏司
●音楽 … 佐藤直紀
●主題歌 … 「エミリ・ブロンテ歌詞・佐藤直紀作曲のオリジナル曲」 トモザトモ
●出演 … 大森南朋 柴田恭兵 栗山千明 松田龍平 島田久作 ティム 志賀廣太郎 小林正寛 渡辺哲 宇崎竜童 富士真奈美 田中泯 大杉漣 菅原文太 中尾彬
●製作 … NHK 2007

1998年、アメリカの投資ファンド・ホライズン・インベストメントの日本法人代表として鷲津政彦(大森南朋)が帰国。

手始めに仕掛けたのは、以前勤務していた三葉銀行のバルクセール(銀行の抱える不良債権をまとめ買いすること)。

三葉銀行役員・飯島亮介(中尾彬)は若手のエースと言うべき存在の芝野健夫(柴田恭兵)に鷲津との交渉を任せる。

芝野は鷲津にとって元上司であったが、飯島を取り込んでタダ同然で債権を買い叩く。

三葉銀行から買い叩いた中の債権で最初に目を付けたのは老舗旅館「西乃屋」

経営者・西野昭吾(宇崎竜童)は自身の立場ばかりで周りが見えておらず、鷲津に旅館を高値で売り飛ばされる。

息子・治(松田龍平)に経営手腕を叱責された昭吾は、鷲津に返済を待ってもらうように頼みに行くが、すでに売却されている事を知らされ、失意のままトラックに轢かれて死亡する。

ハゲタカファンドと呼ばれる外資ファンドの取材の為、東洋テレビの経済記者・三島由香(栗山千明)は鷲津に取材を仕掛ける。

由香の父親は、大空電機の下請けの工場を営んでいて、融資先の三葉銀行の行員であった鷲津を信頼していたが、三葉銀行の方針で貸し渋りを行い、自殺した経緯があった。

ホライズンが買収を目指す老舗玩具メーカー「サンデートイズ」や名門電機会社「大空電機」を舞台に、鷲津、芝野、由香はそれぞれの思いを旨に信念を貫こうとする…



このドラマ『ハゲタカ』、ノーマークでしたが、会心の出来でした!

1990年台後半から席巻した外資ファンドと日本企業を舞台にしており、経済に興味のない方でも、経済入門としてその当時どんな流れで経済が動いていたか分かりやすく描かれています。

その経済ドラマという面以上に際立っていたのが、ヒューマンドラマという面。

それぞれの立場の人間が自分の信念を貫き通そうとするが、ままならない現実や過去の禍根に葛藤する姿は非常にリアルに描かれていました。

由香の父の死を背負いながらも、一見、日本経済の敵のように映る鷲津とエリート行員でありながら企業再生の理想を追い求める芝野。

やり方は異なる2人ですが、やがて信念が一致している事をお互いが認識し、「働く事とは何か?」「お金とは何か?」という究極の疑問の答えを導き出しています。

また、父親を失った治と由香は真逆の道を歩み、その対比がストーリーに大きく絡みあって、このドラマの深みを与えてクオリティーの高い作品に仕上がっています。

キャストに目を向けると、地味ではありますが実力派俳優を並べており、このドラマ『ハゲタカ』をさらに高めています。

主演に大森南朋というと、ちょっと違うんじゃないかな?と思われる方もいるかもしれませんが、鷲津政彦役にはピッタリのキャスティングでした!

華はないかもしれませんが、冷静に判断するホライズン日本法人代表の顔と過去に悩み、それを償おうとする苦悩が表情に表れていて素晴らしい演技だったように思います。

また、もう一人の主人公・柴田恭兵や若手の栗山千明、松田龍平らも存在感をガンガン出していました。

他の主要キャストで印象的だったのが、中尾彬と田中泯。

中尾彬については、昔から雰囲気が大好きで、三葉銀行のダークな部分を背負う実力者という役にマッチしていました。

一方、田中泯の場合は、中尾彬のようなインパクトはありませんが、大空電機レンズ事業部で、レンズをひたすら磨き続ける地味な存在であるにもかかわらず、独特の雰囲気があり、存在感が滲み出ているところは流石ですね〜

このストーリーとキャスティングが絶妙に絡まり合い、至高の経済ヒューマンドラマに仕上がっています。

原作の真山仁著 「ハゲタカ」「バイアウト」共に読んだことはありません。

ただ、おそらくは、この作品の良いところと結集しており、ストーリー性とメッセージ性を両立出来たのだと思います。

虚業であるファンドビジネスでも、実業と言える存在になれる。
汗水流して鷲津と芝野が実現したスタイルは、現在の流れに楔を打ったのではないでしょうか。

「お金を儲ければそれでいい」といった風潮ですが、結局のところ、そこには大きな落とし穴があり、そのような単調な考え方では幸せにはなれないということに気づかせてくれる作品だと思います。


私見的評価 95点

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