●演出 … 岩本仁志[エピソード1] 大塚恭司[エピソード2]
●脚本 … 遊川和彦
●音楽 … 池頼広
●出演 … 天海祐希 石原良純 生瀬勝久 金田明夫 西田尚美 戸田恵梨香 志田未来 松川尚瑠輝 後藤果萌 武井証 森田直幸 伊藤大翔 三浦理恵子 江波杏子 西岡徳馬 清水章吾 泉谷しげる 平泉成
●制作協力 … 日活撮影所
●製作 … 日本テレビ 2006
[エピソード1]
問題を起こしたとして阿久津真矢(天海祐希)は再び教職員再教育センターに送られてきた。指導主事の上田(石原良純)は徹底的に問題を追及するが真矢は全く動じなかった・・・
12年前の1994年、真矢は子供たちにご機嫌を伺うような教師だった。だがそんな態度が自身を窮地に追い込む。担任をしていたクラスの生徒・愛(後藤果萌)の本質を見極めることが出来ず、彼女の企みから担任を降ろされる。それを契機に恋人の富塚保彦(生瀬勝久)と結婚。一人息子の翔(武井証)と共に過ごしていたが、食事や勉強など自分の思いを押し付け、次第に家庭が歪み始める・・・
[エピソード2]
自分の過ちからすべてを失った真矢はかつて裏切られた愛(戸田恵梨香)を救ったことで、児童や保護者に厳しく接することを決心して教師に復帰する。任されたクラスは一見、何の問題もないクラスのようだったが、病気の為に1年留年している英二(森田直幸)が権力を握り、翼(伊藤大翔)をクラス全員でイジメさせている張本人だった。英二は都庁のキャリア官僚の父と教育ママの母(西田尚美)を巧みに使い、真矢を陥れる・・・
今作は、連続ドラマで2005年夏に話題をさらった「女王の教室」の主人公、阿久津真矢の過去を描いています。
エピソード1では現在の教師や親に見られるような自分かわいさの行動ですべてを失い、自身の過ちに気づき再び立ち上がる姿。
エピソード2では始めて生徒たちのことを考えて立ち向かい、試行錯誤の末、連続ドラマで見せた姿に向かうプロセスが描かれています。
最高レベルの作品と言える連続ドラマ「女王の教室」ですが、まさかここまで綿密に阿久津真矢のキャラクターを作り上げていたとはただただ感心するばかりです。
だからこそ、ここまでの作品に仕上がったというべきでしょう。
エピソード1では、真矢自身の言動が現在の親や教師の過ちをリアルに描き、自分自身の行動と重なった人も多いと思います。
それと連動するように連ドラ版「女王の教室」でクラスの中心を担っていた和美(志田未来)の悩みに「自分の思いばかり押し付けて、相手のことを考えようとしない」という真矢の言葉が、この問題の核心を鋭く突いています。
「本当に相手のことを考えて行動したら、相手は分かってくれる。いや、分かってもらえなくても相手のことを考えているならやらなければいけない。」というセリフも、私たちが生きていく上での正しい道を表していました。
エピソード2では、子供たちの為に生きようとする真矢と自分自身のことばかりを考えている歪んだ親子や上辺だけの教師との戦いを描いていますが、正しく生きることの苦しさ、難しさをありありと伝わってきます。
エピソード1と同様に、連ドラで真矢と向かい合った由介(松川尚瑠輝)の悩みに「2つしか手段がなくてどちらも選びたくないなら、第3の道を探しなさい!」と叱りつけたセリフは、苦しいことから逃げて妥協ばかりして生きている我々の心を鋭く突いてきました。
また、子供を腫れ物を触るように扱い、人として成長させることを全く無視した親の態度にも焦点が当てられています。
真矢を通して、自分や子供にとって辛いことでも、為になることならば、やり遂げることの重要性を訴えています。
例え自分の子供が苛められていても、苦しい立場に追いやられても、親がいつまでも助けることは出来ません。
子供が自分自身で解決する能力を身につけさせること重要さを現在、子供を持つ父母に届いたのではないでしょうか?
このドラマを通して、親は子供の育て方について、子供たち、いやすべての人たちは自身の生き方について考えるきっかけを作ってもらえるドラマだと思います。
もし、連続ドラマ版も「女王の教室スペシャル」もご覧になられていない方がいましたら、衝撃が半減してしまいますので、ぜひ連続ドラマの方を先にご覧下さい。
当ブログでも、レビューを3つほど書いていますが、序盤から中盤に掛けてのあまりの過激な内容に翻弄されているところが出ています。
しかし、一見残虐に見えるシーンにはすべて意味が込められています。
例え観ることが辛い内容であっても、決して目を逸らさずにご覧下さい。
見終わった後にはその強いメッセージにあなたの心は何かを感じると思います。
ぜひこの作品は、子供たち親たちだけでなく、すべての人に観てもらいたい作品です!
ちなみに評価点は、連ドラ版を観た前提での評価です。
私見的評価 97点
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